おいしいステーキを焼くための勝負は、フライパンに火をつける前の下処理で8割が決まります。プロの厨房でも徹底されている下準備の基本ステップを押さえておきましょう。
まずは「筋切り」です。赤身と脂身の境目にある白い筋組織は、加熱すると強く収縮して肉全体を反り返らせてしまいます。包丁の先を使って、境目の筋に2〜3cm間隔で細かく切り込みを入れておくことで、反り返りを防ぎ均一に熱を通すことができます。
次に最も重要なのが「常温に戻す理由」です。肉の厚みに応じて、調理の約30分前(厚切りなら約45分前、夏場は20分程度)に冷蔵庫から出しておきます。中心部の温度を室温(約20℃前後)へ近づけておくことで、加熱時の温度差をなくし、短時間の火入れでも中まで均一に熱を行き渡らせることが可能になります。
そして塩コショウを振るタイミングは「フライパンに入れる直前30秒以内」が鉄則です。塩を振った瞬間に表面へ浮き出るわずかな水分が、焼いたときに香ばしい焼き目(メイラード反応)を作り出します。塩の分量は肉の重量に対して約0.8%〜1.0%を目安にすると、肉の旨味が最も引き立ちます。