本作の最大の魅力であり、読者や観客を爆笑の渦に巻き込んだのが、緻密に作り込まれたホルモーの公式ルールと「オニ語」です。
オニは一般人には見えず、ホルモー契約の儀式(全裸で踊る「吉田代替わりの儀」など)を経た競技者にしか視認できません。身長数十センチほどの茶巾絞りのような頭部を持つオニたちに指示を出すには、独特のイントネーションを持つ専用言語を使わなければなりません。
日常会話とはかけ離れたオニ語には、以下のような実戦指示が存在します。
- 「アギトペ」:前進せよ
- 「ドギュム」:突撃・攻撃せよ
- 「ホゲロ」:待機・休め
- 「グノチェ」:右へ進め
- 「ボロンチェ」:左へ進め
また、オニたちのエネルギー源は「干しぶどう(レーズン)」であり、補給を怠ると戦力が低下するというシュールな設定も秀逸です。
そして、作中で最も重要なキーワードが「ゲロンパ」です。これはオニ語における「まいった(降伏宣言)」を意味します。ひとたび指揮官が「ゲロンパ!」と叫ぶと、激しい嘔吐感と胃痙攣に見舞われ、その場に倒れ伏してホルモーに関するすべての権利を失います。同時にオニの姿も見えなくなるという過酷なペナルティが課されるため、プレイヤーにとっては究極の屈辱であり、敗北の決定打となる言葉なのです。