脊髄小脳変性症の発症原因は長年の研究によって解明が進んでいますが、大きく分けると「孤発性(遺伝しないタイプ)」と「遺伝性(遺伝するタイプ)」の2つに分類されます。
国内の患者全体で見ると、約7割が家族歴のない孤発性であり、遺伝的な背景が見られない突然の発症です。孤発性の代表格には「多系統萎縮症(MSA)」などがあり、小脳症状に加えてパーキンソン症状や自律神経障害(血圧低下、排尿障害など)が合併しやすい特徴があります。
一方、残りの約3割を占めるのが遺伝性です。遺伝性の多くは常染色体顕性(優性)遺伝の形式をとり、親から子へ50%の確率で変異遺伝子が受け継がれます。特定の遺伝子配列(トリプレットリピートと呼ばれる塩基の異常伸長など)によって異常なタンパク質が小脳神経細胞内に蓄積し、細胞が徐々に死滅してしまうことが主な発症機序です。
遺伝性か孤発性かによって進行パターンや随伴症状が異なるため、神経内科でのMRI検査や遺伝子検査などを通じた早期の確定診断が極めて重要視されます。