紙の新聞の発行部数が減少し続けるなか、発行元である株式会社朝日新聞社は歴史的な構造転換の渦中にある。デジタル事業への本格シフトは単なる紙の置き換えにとどまらず、取材体制や組織文化そのものを根本から解体・再構築する苦渋の決断を伴う。
経営陣のトップに立つ中村史郎社長は、ジャーナリズムの質の維持と経営基盤の安定化という二律背反の課題に直面してきた。伝統的な新聞社のプライドを保ちながら、データ分析を駆使したデジタルマーケティングを取り入れる試みは、社内でも様々な議論を巻き起こしている。報道の自由とビジネスの持続可能性をいかに両立させるか、その手腕に業界全体が熱い視線を注ぐ。