記憶喪失という重厚なテーマに新たな風を吹き込んだ象徴的な作品といえば、生見愛瑠が主演を務めた『くるり〜誰が私と恋をした?〜』だろう。自分自身の記憶と指輪の相手を探すという切なくもスリリングな物語は、幅広い層の心を掴んで離さなかった。
生見愛瑠の繊細かつ力強い演技は、記憶を失ったヒロインの孤独と、前に進もうとする強さを見事に表現していた。胸をキュンとさせるラブコメディの要素を含みつつも、一歩間違えれば闇に呑み込まれそうな危うさを秘めた脚本は、従来の記憶喪失ドラマの概念を鮮やかに塗り替えたと言える。