漏れ電流の許容値は1Ma以下?内線規程とIor測定の実務全知識

漏れ電流の許容値は1Ma以下?内線規程とIor測定の実務全知識

漏れ電流の許容値は1Ma以下?内線規程とIor測定の実務全知識について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。

どれほど点検を徹底しても、突発的な絶縁破壊や浸水による漏電事故を完全にゼロにすることはできません。万一の漏電時に人体を保護し火災を防ぐのが、漏電遮断器(ELB)と接地工事の組み合わせです。

一般住宅やオフィスビルなどのコンセント回路には、人体感電保護を目的として定格感度電流30mA・動作時間0.1秒以内(高速形)の漏電遮断器が設置されます。人体に30mA以上の電流が一定時間流れると心室細動による死亡リスクが急激に跳ね上がるため、この感度設定が国際的な安全水準となっています。

そして、漏電遮断器が確実に動作し、かつ感電時の対地電圧を低く抑えるために欠かせないのが接地工事です。

  • B種接地工事:高低圧混触時の低圧側電圧上昇を防ぐため、変圧器の低圧側中性点(または1端子)に施す接地。接地抵抗値は変圧器の高圧側地絡電流値に応じて計算(通常数十Ω〜数Ω)。
  • D種接地工事:300V以下の低圧機器の金属製外郭に施す接地。原則として接地抵抗値は100Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する漏電遮断器を施設する場合は500Ω以下まで緩和)。

機器の絶縁が破壊されて外郭に電圧がかかった際、十分なD種接地が取れていれば、漏えい電流は速やかにアースを通ってB種接地へと還流し、漏電遮断器を瞬時にトリップさせます。接地抵抗値が高すぎたり断線していると、機器外郭に高電圧が残留し、人が触れた瞬間に人体を通じて大地へ大電流が流れる大事故につながります。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。