エレベーターを降りてマロニエゲート銀座2の7階に足を踏み入れた瞬間、広がるのは私たちがよく知るロードサイドのくら寿司とは一線を画す光景です。エントランスでは巨大な提灯ウォールと歌川広重の浮世絵『東都名所高輪廿六夜待遊興之図』をモチーフにした巨大レリーフが来訪者を迎えます。
空間デザインを手掛けたのは、日本を代表するクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏。インテリアの基調には無垢の白木がふんだんに用いられ、座席ごとに上品な暖簾(のれん)や格子スクリーンが配されるなど、プライベート感を重視した設計が施されています。大手チェーン特有の喧騒を適度に緩和しつつ、まるで江戸の町屋や高級割烹に迷い込んだかのような高級感あふれる没入感を演出している点が最大の特徴です。
従来の回転寿司が追求してきた「安さ・早さ・ファミリー対応」という効率重視の軸から、「日本の美意識の発信・食文化の体験価値」へと大きく舵を切った同店の設計思想は、国内外のゲストから極めて高い評価を得ています。