五月みどりの真骨頂は、キャッチーな歌謡曲から情情緒豊かな演歌まで、あらゆるジャンルを自在に歌いこなす高い柔軟性にある。単なるアイドルの枠にとどまらず、歌唱技術の粋を集めた楽曲表現で長年にわたり聴き手を魅了し続けた。日本の芸能界において、これほどまでに幅広い層から愛された歌手は極めて珍しい。
ステージ上の華やかな姿とは裏腹に、楽曲制作や舞台裏での妥協を許さない姿勢も知られている。マイクの立ち位置やライティング、衣装の細部に至るまでこだわり抜くプロ意識こそが、激動の昭和エンターテインメント界を生き抜いた原動力であった。彼女の築いたスタイルは、後進の女性歌手たちにも多大な影響を与え続けている。