角栄の多面的な実像に迫るなら、一次情報に触れる本格的な伝記や側近たちの証言録が最適です。
数ある評伝の中で田中角栄の伝記の決定版として学術的・ジャーナリスティックに高い評価を得ているのが、服部龍二氏の『田中角栄―同時代史のなかのリーダーシップ』(中公新書)です。膨大な公文書と取材データを基に、神格化も悪魔化もせず、客観的な歴史の文脈でその功罪を検証しています。
一方、人間臭い素顔を知る上では、最側近として23年間仕えた秘書・早坂茂三氏による側近の証言本(『宰相の資格』『田中角栄の素顔』など)が圧倒的な生々しさを誇ります。さらに、昭和最大の疑獄に迫る立花隆氏の『田中角栄研究』や各種ロッキード事件の関連本を併読することで、権力の魔力と挫折の構図が鮮明に浮かび上がってきます。