SNSや知恵袋、取材現場に寄せられる当事者の手記を検証すると、関係が長期停滞した人々の多くが「サンクコスト効果(投資した時間や感情を惜しむ心理)」に囚われている実態が浮かび上がります。
大手IT企業に勤務する20代後半の女性は、2年間にわたり同僚男性と曖昧な関係を続けた経験を次のように手記で語っています。
「週末は必ず私の部屋に泊まりに来て、私の手料理を食べ、『お前といる時が一番癒やされる』と言ってくれていました。合鍵も渡し、周囲からも付き合っていると思われていた。でも、付き合おうとは一度も言ってくれない。耐えかねて『私たち付き合ってるんだよね?』と聞いた瞬間、彼は『友達として居心地が良すぎて、付き合って別れるのが怖かった』と返してきたんです。そのわずか3ヶ月後、彼はマッチングアプリで出会った別の女性と交際1ヶ月で婚約しました。私はただの都合のいい避難所だったんです」
この告白が象徴するように、「居心地の良さ」を理由に関係を曖昧にする相手の本心は、単なる責任回避です。どれほど親密な日常を共有していても、決定的な言葉がない関係は、砂上の楼閣に過ぎません。