この名言が誕生したのは、『鬼滅の刃』の原作第1巻・第1話(アニメ第1期・第1話「残酷」)です。鬼と化した妹・竈門禰豆子を救うため、雪山の中で頭を地面に擦り付け、涙を流しながら「妹を殺さないでください」と命乞いをする竈門炭治郎に対し、鬼殺隊の最高位である柱の一人、水柱・冨岡義勇が冷徹に浴びせたセリフでした。
当時の冨岡義勇の全セリフは、読者の胸を抉るリアリズムに満ちています。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!惨めったらしく蹲るのはやめろ!そんなことが通用するなら お前の家族は殺されていない!奪うか奪われるかの時に 主導権を握れない弱者が 妹を治す? 仇を見つける? 笑止千万!」
一見すると冷酷無比な罵倒に聞こえますが、この言葉の裏には「懇願や同情にすがっても現実は1ミリも好転しない」という過酷な世界の掟と、妹を守るために炭治郎自らが強者へと覚醒しなければならないという、義勇自身の深い慈愛と共感が隠されていました。数ある『鬼滅の刃』名言集の中でも、物語全体のテーマである「理不尽への抗い」を象徴する起点として位置づけられています。