小さな体躯だった息子を、角界のトップを張れる体格へと育て上げた陰には、父・佐藤一純さんの厳格な指導と、母・貴子さんの献身的な食卓のサポートがあった。毎食4000〜5000キロカロリーを超える食事の準備は、並大抵の苦労ではない。肉料理を中心とした膨大な量のメニューを日替わりで工夫し、食欲が沸かない日であっても効率よく栄養を摂取できるよう、調理法や味付けに細心の注意が払われた。
食卓はまさに「戦場」であった。嫌がる息子を励まし、時には寄り添いながら、体を大きくするための努力を親子二人三脚で継続した。アスリートの肉体を作り上げるための食事管理は、今でこそプロの管理栄養士がつく時代だが、当時は母の直感と愛情、そして徹底したリサーチによって支えられていたのだ。