世界中の野球ファンを魅了したワールド・ベースボール・クラシックにおいて、日本代表は劇的な勝利を重ねて世界一の奪還を果たした。日米のトップ選手が集う怪物チームをまとめるにあたり、栗山が下した決断の数々は実に精緻なものだった。代表選考から打順の組み替え、投手の継投策に至るまで、極限のプレッシャー下で下された判断には迷いがなかった。
準決勝でのドラマチックな逆転劇、そして決勝戦での歴史的ラストシーン。そこにあったのは、選手の可能性を最後まで信じ抜く指揮官の執念である。あの春の旋風は、彼の指導者キャリアにおける最大の頂点となった。