両措置はいずれも「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を根拠法としているが、事業者に課される命令違反への罰則(行政過料)の強さにははっきりと差が設けられている。
行政による要請に従わない事業者に対して、知事はより強い「命令」を出すことができるが、その命令に違反した場合のペナルティとして過料が規定されている。まん延防止等重点措置のもとでは「20万円以下の過料」と定められているのに対し、緊急事態宣言下では「30万円以下の過料」へと引き上がる。一見すると額面の差は僅かに思えるかもしれないが、法的な位置付けとしては明確な格差だ。
罰則の存在は、単なる行政上の呼びかけを超えた実効性を担保するための「刃」である。しかし同時に、私権の制限という憲法上の議論とも背中合わせであるため、特措法の規定に基づいた慎重かつ適正な手続きの履行が行政側に強く求められる。