制作現場を訪ねると、そこには持続可能なものづくりの原点が存在する。材料はすべて自然に還る竹、和紙、木綿糸、そして車輪に使われる木材のみ。マイクロプラスチックや電子廃棄物が深刻な社会課題となっている今、この完結したサーキュラーデザインは環境意識の高い海外のクリエイターからも熱い視線を注がれている。
地元の職人は「昔の職人たちは環境問題を意識して作っていたわけではない。手に入る自然の素材を最大限に生かし、壊れたら直して使うという当たり前の営みが、期せずして現代のサステナビリティと合致した」と静かに語る。竹を削るカサカサという心地よい音と膠(にかわ)の香りが漂う工房には、伝統を次世代へとつなぐ若き弟子たちの姿も増えてきた。