アーカイブを巡るリクエストを語る上で欠かせないのが、視聴者参加型で進められてきた「発掘プロジェクト」の存在です。初期の放送である1960年代から1970年代にかけては、放送用ビデオテープ(2インチVTR)が極めて高価であり、上書き録画されて局内に原版映像が残っていない作品が多数存在しました。こうした歴史的空白を埋めるため、家庭用初期ビデオやオープンリール音声テープの提供を全国に呼びかけて修復したのが発掘プロジェクト楽曲群です。
この取り組みによって近年デジタルクリア化されたみんなのうた昭和平成の名曲の再放送は、往年のファンを歓喜させています。「昔見たあのモノクロアニメはもう一度見られないのか」と諦めていた楽曲が、視聴者からの熱心なリクエストを契機に倉庫の奥や提供テープからサルベージされ、修復技術を経て再びオンエアされる奇跡が起きています。権利関係のクリアランスという高いハードルを越えさせる原動力もまた、ファンの継続的なリクエストの声そのものです。