香港での衝撃的なブレイクに先駆けて、彼女が日本映画史に不滅の足跡を刻んだ作品が、高嶺剛監督によるマジックリアリズムの傑作『ウンタマギルー』(1989年)です。沖縄の精霊伝説とフォークロアが交錯する世界観の中で、青山知可子は主人公を惑わす妖精・マレーを見事に演じ切りました。
森の中で繰り広げられる幻想的な逢瀬と濡れ場は、土俗的な生命力と圧倒的な透明感が奇跡的な調和を見せています。商業的なエロティシズムとは対極にある、映画本来の神秘性を帯びた官能美。国内の映画賞を総なめにしたこの名作において、彼女の存在は映画そのものの魂となってスクリーンに瑞々しい息吹を吹き込みました。