産業プラントやインフラ現場の保守記録において、ポンプ故障原因の上位に頻繁に挙げられるのがポンプ吸入側レジューサーの誤選定・誤設置による障害です。
配管径をポンプノズル径に合わせて絞り込む吸入配管において、誤って同心レジューサーを水平設置すると、絞り部の上部に気相空間(エアーポケット)が形成されます。流速の上昇や圧力変動に伴ってこの滞留空気が塊となってポンプインペラーへ吸い込まれると、突発的なサージングや深刻なキャビテーションを引き起こします。
大手化学プラントの元設備管理責任者は、当時のトラブル事例について次のように警鐘を鳴らします。
「新設ラインの試運転時、ポンプから激しい異音と振動が発生し、わずか数十時間でインペラーが壊食破損しました。原因を調査したところ、図面では天面フラット指示だった吸入配管に、現場の誤認で同心レジューサーが施工されていたのです。確実なエアー溜まり防止を施すことは、プラントの寿命を延ばす絶対条件と言えます」
吸入側配管では、上部を完全な直線フラット(Top-Flat)に保つ偏心レジューサーの採用が設計上の不文律となっています。