鮮やかなサーモンピンクの身を見ると、マグロやカツオのような「赤身魚」と思われがちですが、学術的な分類においてサーモンは白身魚に位置付けられます。
マグロなどの赤身魚は、常に高速で泳ぎ続けるために筋肉中に酸素を蓄える色素タンパク質「ミオグロビン」や「ヘモグロビン」を大量に保持しており、これが赤色の原因です。一方、サーモンの筋肉組織にはミオグロビンがほとんど含まれていません。
サーモンが美しいオレンジ色を放つ理由は、餌に含まれる天然色素アスタキサンチンにあります。サケ科の魚は、幼魚期に捕食する甲殻類(オキアミやエビ)に含まれるアスタキサンチンを体内に蓄積し、筋肉組織に移行させる特異な代謝システムを持っています。
このアスタキサンチンは、ビタミンEの数百倍、ビタミンCの数千倍とも称される強力な抗酸化力を持ちます。激しい川登りの際に発生する活性酸素から自身の筋肉組織を守るために身につけた進化の賜物であり、人間が摂取した際にも、紫外線による肌老化の予防や疲労回復、眼精疲労の軽減など多面的な健康効果をもたらします。