プリプリの魅力はヒットシングルだけにとどまりません。1980年代後半から1990年代前半にかけてリリースされたオリジナルアルバムには、実験的なサウンドアプローチや、中山加奈子、今野登茂子、渡辺敦子それぞれの作家性が色濃く反映された名曲が数多く眠っています。
1988年発表の『HERE WE ARE』は、バンドが自作曲で勝負することを確立した記念碑的作品です。重厚なロックチューン「ROCK ME」や、哀愁を帯びた「ROMANCIN' BLUE」など、演奏技術の急成長が克明に刻まれています。続く『LET'S GET CRAZY』(1988年)や『LOVERS』(1989年)では、オリコンアルバムチャートで連続1位を獲得。特に『LOVERS』に収録された「レイン」や「ムーンライト ストーリー」は、繊細なストリングスアレンジとバンドサウンドが調和した傑作として、コアファンの間で今なお語り草となっています。
また、中山加奈子が作詞・作曲を手掛けたナンバーは、文学的で少し毒を含んだビターな世界観が特徴です。「SHE」や「GUERRILLA」といった楽曲では、女性の内に秘めた情熱や孤独を鋭く抉り出し、アイドル視されがちだった当時のメディア評を実力で覆しました。