言語学的な観点から「なんくるないさ」を形態素分解すると、琉球方言特有の繊細な心理描写が浮かび上がります。
「なんくる」は、古語の「汝(なれ)」や「自(おの)づから」に由来するとされ、「自然に」「ひとりでに」「自ずと」といった自発的な状態変化を表します。これに動詞「ない(成る・生る)」と終助詞「さ」が結合した構造です。
英語で表現するならば、「Things will work out somehow(どうにかこうにかうまくいく)」という曖昧な願望ではなく、「Nature takes its course if you do right(正しくあれば自ずと理に適う)」という因果応報の法則に近いニュアンスを持っています。自らの手でコントロールできる「日々の行動(誠)」に全力を注ぎ、コントロール不可能な「結果」については天の摂理に委ねるという、極めて合理的な精神構造が言葉の根底に流れています。