ちゃおにおける付録の変遷を振り返ると、日本の玩具・製造技術の進化と出版業界の命運がダイレクトにリンクしている事実に気付かされます。ちゃお神付録の歴史は、大きく3つの時代区分に整理できます。
まずちゃお付録 90年代は、「組み立て式ペーパークラフト」と「ステーショナリー」の全盛期でした。『水色時代』や『ウェディングピーチ』などが本誌を彩っていた頃、付録の主役は厚紙からパーツを慎重に切り離して作るレターラックやペン立て、艶やかなビニール素材のペンケース、そして香り付きのティッシュや下敷きでした。当時の小学生にとって、組み立ての難度が高い立体付録を破かずに完成させるプロセスそのものが、かけがえのない体験価値だったのです。
転換点となったのは、2000年代初頭から中盤にかけてのちゃお付録 2000年代です。『ミルモでポン!』『きらりん☆レボリューション』『極上!!めちゃモテ委員長』といったメディアミックス作品が怒涛のヒットを記録する中、付録の素材は紙からABS樹脂(プラスチック)や金属、布製品へと劇的にシフトしました。キラキラと輝くストーン付きのアクセサリーケースや、シークレットロック付きの手帳など、女児向けファッションブランド顔負けのクオリティが日常化していきます。
そして2010年代、ちゃおは出版界の誰も予想し得なかった未踏の領域へと踏み出します。乾電池で駆動するモーターや電子基板を惜しげもなく組み込んだ「本格家電期」の幕開けです。もはや玩具の延長線上ではなく、大人のオフィスデスクに置いても実用可能なツールが次々と付録化されるという、出版史に残る特異な黄金期が形成されました。