ショコラウサギファミリーが暮らす家々のドアノブに手をかける。カチリと音がして扉が開く。そこには、子どもの頃に指先で触れていた家具や小物が、まさに人間サイズとなって整然と並んでいる。
細部への執念が凄まじい。キッチンの棚に置かれた陶器風のキャニスター、ふかふかのベッドカバー、ダイニングテーブルに並ぶ焼きたてのパンの模型。ただ眺めるだけでなく、実際に椅子に腰掛けたり、引き出しを開けたりできる設計が施されている。視界に入るすべてが「知っているのに、初めて見る」という心地よい錯覚を脳裏に呼び起こす。
大人の背丈ほどある村の仲間たちと並んで立つと、自分が人形のサイズに縮んで物語の中に迷い込んだかのような没入感に包まれる。計算し尽くされたスケール感が、訪れる者の童心を容赦なくノックするのだ。