彼女の死は、一つの時代の終焉を意味していた。『寺内貫太郎一家』や『阿修羅のごとく』など、昭和の家族の表と裏を鋭く、そして温かく描き出した脚本家としての功績は計り知れない。さらに、前年の1980年には短編小説『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で第83回直木賞を受賞したばかりだった。
まさに作家としての第二の黄金期を迎えようとしていた矢先の悲劇である。執筆依頼の電話を待っていた編集者たち、彼女の新作ドラマを心待ちにしていた視聴者たち。誰もがその現実を受け入れられなかった。彼女が遺した未完の原稿や、旅の支度を整えたまま主を失った青山のマンションの部屋は、残された者たちに深い喪失感を植え付けた。