箱根ガラスの森美術館の心臓部といえるのが、緑豊かな庭園を囲むように配置されたヴェネチアン・グラス美術館と現代ガラス美術館、そして屋外に広がるクリスタルガラス庭園です。
ヴェネチアン・グラス美術館に一歩足を踏み入れると、そこには中世ヴェネチア共和国の宮殿を模した重厚な展示空間が広がります。15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族の間で熱狂的な人気を博したレース・グラスやモザイク・グラス、点描金彩など、当時の門外不出の秘術によって生み出された至宝が約100点展示されています。単なる美術品の陳列にとどまらず、当時の貴族たちの生活様式やガラスに注がれた情熱が立体的に伝わるキュレーションは、国内外の美術愛好家からも高い評価を得ています。
一方、屋外のクリスタルガラス庭園では、太陽光を受けて七色にきらめく「光の回廊」が訪れる人々を迎えます。約16万粒ものクリスタルガラスで構成されたアーチは、風に揺れるたびに心地よい音色とまばゆい輝きを放ちます。秋にはススキを模したクリスタルオブジェ、冬には巨大なクリスタルツリー、春から初夏にかけては新緑とのコントラストなど、仙石原の豊かな四季とガラスの光彩が共鳴する情景は、訪れる季節ごとに全く異なる感動をもたらします。