2人の出会いは、サンドウィッチマンがまだ世間にまったく知られていなかった2000年代半ば、知人を交えた食事会がきっかけでした。当時、富澤さんは相方の伊達さんと共にアパートで共同生活を送り、月収が数千円から数万円という極貧生活の渦中にありました。
やがて交際へと発展し、2人は同棲生活をスタートさせます。しかし当時の富澤さんは、「30歳までに売れなければ芸人を辞める」というリミットを背負いながら先の見えない不安とも戦っていました。食事もままならない生活の中、さえこさんは文句ひとつ言わずに働き、富澤さんの生活を金銭面・精神面の両方から献身的に支え続けたといいます。
富澤さんは当時の心境について、自著や特番のインタビューで次のように語っています。
「明日のご飯代すら怪しい時代に、嫌な顔一つせず横にいてくれた。自分が芸人として結果を出せたのは間違いなく嫁のおかげだし、彼女がいなければ2007年のM-1グランプリで優勝することなんて絶対にできなかった」
そして2007年12月、サンドウィッチマンは敗者復活戦から奇跡のM-1グランプリ優勝を果たし、一躍スターダムへと駆け上がります。生活環境は激変しましたが、2人の関係性が揺らぐことはありませんでした。多忙を極める中で富澤さんがプロポーズのタイミングを測りかねていたところ、妻の側から「いつ結婚するの?」とストレートに切り出す、いわば「逆プロポーズ」の形でゴールインが決まったというエピソードは、ファンの間でも語り草となっています。
こうして2009年4月に入籍を果たし、同年5月には相方の伊達みきおさんと共に都内で開いた「サンドウィッチマン合同結婚発表記者会見」で世間に公表。コンビ揃っての異例の会見は、彼ららしい温かさと絆の深さを象徴する名場面として日本中から祝福を浴びました。