カロナールの主成分であるアセトアミノフェンは、通常用量では安全性の高い解熱鎮痛薬として広く処方されている。しかし、アルコールが体内に存在する状態では代謝経路が変化する。通常、アセトアミノフェンの約90%はグルクロン酸抱合や硫酸抱合という安全な経路で代謝されるが、残りの約5〜10%はシトクロムP450(CYP2E1)によって毒性の強い中間代謝物NAPQIに変換される。
通常、このNAPQIはグルタチオンという抗酸化物質によって無毒化される。ところが、アルコールを常飲している人や大量飲酒後は、肝臓のグルタチオンが枯渇しやすく、CYP2E1の活性も亢進している。そこにアセトアミノフェンが投入されると、NAPQIの生成量が増え、肝細胞を攻撃し始める。これがアセトアミノフェン過量投与肝障害のメカニズムだ。
厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアルや各製薬会社の添付文書においても、アルコール多飲者に対するアセトアミノフェンの慎重投与が明記されている。特に1日あたりの飲酒量が日本酒換算で2合以上、あるいはウイスキーや焼酎のロックを複数杯飲むような習慣がある人は、肝臓の予備能が低下している可能性が高く、注意が必要だ。