結論から明確に記すと、元衆議院議員である井脇ノブ子氏の性別は紛れもなく女性です。1946年2月11日、大分県南海部郡(現・佐伯市)の漁師の家庭に生まれた戸籍上の女性であり、本名も同じく「井脇ノブ子」です。
それにもかかわらず、Yahoo!知恵袋やGoogle検索などで「井脇ノブ子 男」「性同一性障害 噂」といったキーワードが長期にわたり上位に留まり続ける背景には、視覚と聴覚の双方における「ステレオタイプの完全な破壊」がありました。角刈りに近いショートヘア、大柄でがっしりとした骨格、肩パッドの入ったダブルの紳士服調スーツ、そして低音のハスキーボイスは、昭和から平成初期のテレビメディアにおいて「まるで恰幅の良い男性議員」と見紛うほどの違和感を視聴者に与えたのです。
一部のネットコミュニティでは「性同一性障害(トランスジェンダー男性)だからあのような格好をしているのではないか」という憶測も飛び交いました。しかし、本人が生前の手記や特番インタビューで語った内容によると、内面の性自認と身体の性が一致しないといった医療的な性同一性障害ではなく、「男社会の現場で女性として侮られないための意図的なプロデュース」であったことが明かされています。彼女にとってあのスタイルは、自らの信念を貫徹するために身にまとった“防弾チョッキ”に他ならなかったのです。