高度経済成長期からバブル期にかけて、日本経済は「三井・三菱・住友・芙蓉・三和・第一勧銀」という六大企業集団によって牽引されてきました。しかし、1990年代後半の金融危機と平成のメガバンク統合、そしてグローバル化の波を経て、その勢力図は劇的な変貌を遂げています。
日本の財閥の現在を見渡すと、かつての画一的なブロック構造は崩れ、メガバンクと巨大総合商社を軸にした再編が進んでいます。象徴的な事象が、三井グループのさくら銀行と住友グループの住友銀行が統合して誕生した「三井住友銀行(SMBC)」の存在です。歴史的にライバル関係にあった両財閥が金融の頂点で手を組んだ出来事は、従来の財閥の枠組みを超えた実利重視の新時代を告げる契機となりました。
各グループを構成する財閥系企業一覧と特徴を俯瞰すると、現在も以下の中核セクターがグループ全体の信用と事業基盤を強固に支えていることが分かります。
- 総合商社:三菱商事、三井物産、住友商事(グローバル資源開発、サプライチェーン再構築、脱炭素エネルギー投資の主導役)
- メガバンク・信託:三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス(企業の大型M&Aやプロジェクトファイナンスの資金供給源)
- デベロッパー・不動産:三菱地所(丸の内・大手町)、三井不動産(日本橋・八重洲・ミッドタウン)(国家戦略特区と連動した国際金融都市構想の推進)
- 重工・化学・素材:三菱重工業、三井化学、住友化学、住友電気工業(防衛装備品、次世代半導体材料、EV向け先端素材の国産化)
東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請やコーポレートガバナンス・コードの改訂により、企業集団を繋ぎ止めていた「政策保有株式(株式持ち合い)」の縮減は急速に進んでいます。しかし、純粋な資本関係が薄れたとしても、トップ同士の信頼関係や、合同の大規模インフラプロジェクト、有事におけるサプライチェーンの相互支援という「無形の連帯」は依然として強固に機能しています。