電動車椅子の最高速度は時速何キロ?時速6Km制限の真相と道交法ルール

電動車椅子の最高速度は時速何キロ?時速6Km制限の真相と道交法ルール

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「なぜ時速10kmや自転車並みの時速15kmでは駄目なのか」という声は少なくありません。時速6kmという数値が設定された背景には、緻密な人間工学と交通安全工学のデータが存在します。

警察庁および交通工学関係者の検証資料によると、人間の平均的な歩行速度は通常歩行で時速約4km、急ぎ足の早歩きで時速約6kmと計測されています。つまり、時速6kmとは「元気な大人が周囲を警戒しながら早歩きで移動する最高速度」とほぼ同等です。これ以上の速度で歩道を行き交うと、前方を歩く高齢者や児童、視覚障がい者にとって予測不能な脅威となります。

もう一つの決定的な理由は「衝突時の運動エネルギー」です。物理学において運動エネルギーは質量の積と速度の2乗に比例します。一般的なハンドル形電動車椅子は、バッテリーや頑丈なフレームを積載しているため、本体重量だけで60kg〜100kg前後に達します。これに体重60kgの搭乗者が乗れば、総重量は150kg前後という重量級の物体になります。

この重量が時速10kmで通行人に衝突した場合、受ける衝撃力は時速6km時の約2.8倍に跳ね上がります。時速6kmであれば、万一接触しても打撲や転倒にとどまるケースが多い一方、時速10kmを超えると相手を跳ね飛ばし、頭部外傷などの死亡・重傷事故を誘発するリスクが跳ね上がります。自身と周囲の歩行者の生命を守る防波堤として、この時速6km制限が死守されているのです。

山田 真由
著者

山田 真由

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