本作が最終回に向けて視聴者を釘付けにした最大の要因は、予想を根底から覆す「真犯人の正体」でした。
物語の終盤、三兄妹は自分たちの両親を殺害し、秘伝のハヤシライスのレシピを盗んだ犯人が「とがみ亭」の社長・戸神政行(柄本明さん)であると確信し、彼を社会的に破滅させるための証拠偽造トラップを仕掛けます。しかし、対峙した政行の口から語られたのは衝撃の真実でした。政行は父・幸博(寺島進さん)から正当にレシピを買い取っただけであり、両親を殺害した犯人ではなかったのです。
では、14年前の惨劇を引き起こした真犯人は誰だったのか。その正体は、事件直後から親身になって三兄妹を支え、刑事として捜査を続けていた柏原康孝(三浦友和さん)でした。
柏原の凶行の動機は、重い心臓病を患っていた実の息子の治療費を工面することでした。莫大な手術費用に困り果てていた柏原は、幸博が政行から受け取った現金を奪うために有明家に押し入り、もみ合いの末に両親を刺殺してしまったのです。さらに残酷なことに、奪った金で受けさせようとした手術の甲斐なく、息子は亡くなっていました。
最終回における、二宮和也さん演じる功一と三浦友和さん演じる柏原の屋上での対峙シーンは、日本のテレビドラマ史に残る名場面です。「あんたには生きてもらう。生きて罪を償ってもらう」と涙ながらに叫ぶ功一、そしてその背後で絶望に打ちひしがれる泰輔と静奈の姿は、単なる復讐劇を超えた「命と赦しの物語」としての結末を視聴者に刻み込みました。
詐欺罪で警察に自首した兄たちを待ち続け、出所後に本当の「アリアケ」を再建するラストシーン。血の繋がりを超えて結ばれた三兄妹の絆は、多くの人々に温かい感動を残しました。