受験市場において、学校選びの最初の指標となるのが難易度の推移です。関西私立中学入試の動向を追う大手進学塾(日能研、五ツ木・駸々堂、浜学園など)の公開データを統合すると、大谷中学校・高等学校の評判は過去数年で明確な「右肩上がりの再評価局面」を迎えています。
ここでまず整理すべきは、関西で「大谷」と呼ばれる2つの名門校の存在です。京都市東山区に校舎を構える京都の大谷中学校・高等学校は、真宗大谷派の宗門校であり、かつて男子校から共学化を果たしたのち、先進的な「バタビアコース(マスター・コア)」と「インテグラルコース」を展開してきました。一方、大阪市阿倍野区に位置する大阪の大谷中学校・高等学校は、同じく仏教精神を根底に持ちながら、西日本屈指の女子伝統校として「医進コース」「特進コース」「凛花コース」を擁し、理系・医療系女子の育成で確固たる地位を築いています。
大手模試の偏差値動向を見ると、京都大谷の「バタビアマスター」は大手中受模試(駸々堂)で偏差値55〜60近傍、バタビアコアが偏差値48〜52前後を推移。大阪大谷の「医進」は難関私大・国公立医学部を視野に入れる層が集まり、偏差値56〜62水準で安定した高難易度を維持しています。特筆すべきは、単なる数値の上昇にとどまらず、「第一志望として専願・前期日程で確実に押さえにいきたい」と考える家庭の比率が年々高まっている点です。すべり止めとしての位置づけから、本命視される中堅上位・難関進学校へと完全にシフトしたことが、近年の数値から浮き彫りになっています。