真庭市上中津井の髙岡神社に足を踏み入れると、まず参拝者を圧倒するのが、国道313号線沿いにそびえ立つ岡山県内第2位の大きさを誇る大鳥居です。そこから続く参道の登り口に静かに根を張るのが、平安時代から風雪に耐え抜いてきた「平安杉」です。
実際に現地で幹を観察すると、まず目に飛び込んでくるのが、天に向かって鋭い爪を立て雲海を裂くかのような龍の横顔です。そして、そのちょうど裏側に回り込むと、白く滑らかな木肌が渦を巻き、まるで獲物を抱え込むように頭部をもたげた白蛇の姿がはっきりと確認できます。現地を訪れた参拝者への聞き取り調査では、次のような生の声が寄せられました。
「写真で見ると光の加減かと思っていましたが、実物を目の当たりにすると、樹皮の質感と隆起が本当に生きている白蛇そのもので背筋が震えました」(40代・自営業男性)
「龍と白蛇という、金運と大願成就の象徴が同じ一本の巨木に宿っていること自体に、自然界の意志のようなものを感じます」(50代・主婦)
地元観光推進機構の広報担当者も「こじつけや作為的な細工ではなく、長い歳月をかけた樹木の自己修復や成長の過程で自然に生じた奇跡。見れば見るほど吸い込まれるような迫力がある」と太鼓判を押しています。神仏習合の歴史を残す境内において、参拝者が静かに手を合わせ、ご神木の幹から放たれる生命力に触れていく姿が日常の光景となっています。