初期のけやき坂46時代、高瀬はおとなしく控えめな優等生タイプとして映ることが多かった。大人数のグループアイドルにおいて、前に出る圧の強さを持たないメンバーは埋もれがちになるのが芸能界の冷酷な力学である。しかし、冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)の放送開始と、MCを務めるオードリー(若林正恭・春日俊彰)との邂逅が、彼女の隠れたポテンシャルを劇的に解放した。
2026年3月15日(14日深夜)の放送で突如産声を上げたのが、彼女の冠企画「トークの盛りすぎ注意! 高瀬愛奈のそれは盛ってるで!」である。エピソードトークを面白くしようと話を誇張(盛る)しがちなメンバーに対し、高瀬が冷徹かつ真顔で「それは盛ってるで!」とシャットアウトするこのフォーマットは、番組屈指の人気企画へと昇華した。
彼女のツッコミは単なる攻撃ではなく、的確なファクトチェックに基づいていた。メンバーそれぞれの性格や日常の言動を誰よりも冷静に観察している高瀬だからこそ成立した芸当であり、オードリーの若林正恭もその観察眼と瞬発力に全幅の信頼を寄せていた。この企画以降、ファンコミュニティにおける「まなふぃ」の評価は「隠れた名バランサー」「ひなあいの治安維持係」として確立された。
さらに、SHOWROOM配信やファン向けコンテンツで不定期に開かれた「まなふぃの部屋」では、同期や後輩をゲストに迎え、テレビとは一味違う落ち着いたトーンでメンバーの本音を引き出すホスト役としても手腕を発揮した。派手なセンター争いとは無縁の場所で、グループ全体のトーククオリティを引き上げる職人的な立ち回りを貫いたのである。