手記『絶歌 神戸連続児童殺傷事件』は、全2部構成・294ページにわたり、加害者自らの視点で過去と現在が綴られています。センセーショナルな犯行の詳細だけでなく、歪んだ内的衝動の形成過程や、社会復帰後の孤独な実態が克明に描かれている点が特徴です。
第一部:精神の暗黒面と犯行に至るプロセス
第一部では、少年期における祖母の死を契機とした「生と死」への病的な執着、小動物の解剖行為を通じた性的サディズムの萌芽、そして1997年の連続通り魔事件から小学生殺害事件に至る経緯が語られます。「酒鬼薔薇聖斗」という特異な記号を生み出し、自らの肥大化した自己愛と破壊衝動に支配されていく精神構造が、特異な比喩表現とともに独白されています。
第二部:医療少年院での更生と釈放後の漂泊
第二部では、逮捕後の関東医療少年院における約7年間の矯正教育、心理療法士や教官との対話を通じた自己の内省、そして2004年の仮退院(2005年本退院)以降の生活が描かれています。身元を隠しながら溶接工や日雇い労働などを転々とし、過去の発覚に怯えながら社会の底流を漂泊する元少年Aの孤独と葛藤が詳細に記録されています。