国政を揺るがす選挙戦の現場において、最前線に立つ一般の創価学会員はどのような現実を経験しているのでしょうか。選挙期間中、学会員が行う友人・知人への投票依頼活動は、部内で通称「F取り(フレンド票獲得)」と呼ばれます。
長年活動を続けてきた都内在住の60代女性学会員は、これまでの経験を次のように語ります。
「昔は電話帳を広げて親戚や同窓生に片っ端から電話をかけ、直接家庭を訪問して『生活のために公明党を頼むね』と頭を下げて回るのが当たり前でした。それは生活困窮者救済という私たちの信仰の実践そのものでした。しかし、近年は友人から『宗教と政治を一緒に持ち込まないでほしい』と距離を置かれるケースが増え、精神的な負担を感じる人が増えているのも事実です」
ネット上の反応(Xやnote、掲示板など)を検証すると、とりわけ学会員2世・3世の若年層において、組織活動に対する意識の二極化が顕著になっています。
肯定的な声としては、
「地域の中で孤立しがちな子育て世代にとって、親身になって相談に乗ってくれる学会のコミュニティは心強い」
「公明党の地方議員はフットワークが軽く、身近な道路の修繕や公園の整備、給食費無償化などにすぐ動いてくれる」
といった、地域密着型のセーフティネット機能を評価する意見が確認できます。
その一方で、SNS上には次のような葛藤や苦悩の吐露が溢れています。
「親から選挙活動を強制されるのが苦痛でたまらない」
「自分の政治信条と公明党の安全保障政策が合致していないのに、なぜ学会員というだけで自民党推薦候補や公明党に投票しなければならないのか」
「F取りのせいで学生時代の友人を失った」
かつては強固な規律と熱狂によって支えられていた集票活動は、現代の個人主義やプライバシー意識の浸透によって摩擦を生み出しており、組織の引き締めと個人の権利意識との間で軋轢が表面化しています。