ネット上で混同されている「本当の死因」は、実父である初代・貴ノ花(二子山親方)のものです。報道各社の記録および関係者の証言によると、初代貴ノ花を襲った病魔は口腔底がん(こうこうていがん)でした。
口腔底がんは、舌と下顎の歯肉の間にできる希少ながんであり、初期段階では口内炎と見分けがつきにくい特徴を持ちます。二子山親方の場合、発見された時点ですでに病状が進行しており、リンパ節などへの転移も見られました。2003年秋頃から声のかすれや体調不良が顕在化し、過酷な放射線治療や抗がん剤治療を受けながらも、親方としての職務を全うしようと奮闘していました。
当時、日本相撲協会の巡業部副部長などの重責を担っていた親方は、痩せ細っていく身体を押して土俵を見守り続けましたが、病勢の進行を止めることはできず、2005年5月30日、東京都内の病院で息を引き取りました。享年55という早すぎる旅立ちでした。昭和を代表する人気力士の壮絶な闘病死は、日本中に深い悲しみと衝撃を与え、その記憶の断片が今なお「貴乃花 死因」という検索ワードの源流として残り続けています。
したがって、ネット上で見かける「貴乃花はがんで亡くなった」という記述は、100%父・二子山親方の史実がすり替わったフェイク情報であると断定できます。