長谷川博己の知的な佇まいを紐解く上で欠かせない要素が、その経歴と学歴、そして家庭環境です。東京都出身の長谷川博己は、中央大学文学部を卒業後、2001年に日本屈指の名門演劇集団である文学座の研究所に入所しました。
実父は、建築評論家として名高い武蔵野美術大学名誉教授の故・長谷川堯(はせがわ たかし)氏です。日本の近代建築批評を牽引し、毎日出版文化賞など数々の賞を受賞した知性の巨人でした。家庭内には膨大な美術書や学術書が溢れ、幼少期から映画や芸術に日常的に触れる環境で育ったことが、長谷川博己の深い読解力の基礎を築いたと報じられています。
大学卒業後に演劇の道へ進んだため、いわゆる「遅咲き」の部類に入ります。2006年に文学座を退団した後は、舞台演出家・蜷川幸雄の作品などで頭角を現し、30代半ばで映像の世界へと本格進出を果たしました。下積みの舞台経験が、現在の揺るぎない発声と身体表現を支えています。