ゴルフ場で見かけるキャディには、大きく分けてコースに常駐する「ハウスキャディ」と、ツアーを選手と共に転戦する「帯同プロキャディ」が存在します。両者の役割や雇用形態、求められる専門性は根本から異なります。
トーナメント現場における帯同キャディの業務は、単に重いバッグを運ぶだけではありません。月曜日や火曜日の練習日から現地入りし、歩測器やレーザー距離計を手にコースを端から端まで歩き倒す「コースチェック(ヤーデージブックのメモ作成)」から始まります。グリーンの傾斜、芝目、ピン位置ごとの落としどころ、ハザードまでの正確な歩数、時間帯ごとの風向きの変化をミリ単位でノートに記録し、選手の頭脳となって戦略を練り上げます。
キャディの仕事内容ときつい実態を語る上で外せないのが、過酷を極めるフィジカル面と移動の負担です。男子ツアーとは異なり、女子ツアーではアップダウンの激しい山岳コースであっても15kg前後のツアーバッグを担いで18ホールを歩き通します。猛暑の8月や豪雨のラウンドでも傘を差し、タオルでグリップを乾かし続けながら、自身はずぶ濡れになって歩き続けなければなりません。
さらに、毎週のように北海道から沖縄まで全国を車や公共交通機関で移動する生活が春先から初冬まで35週以上続きます。遠征先での安宿探しや移動ルートの手配もすべて自前で行う必要があり、腰痛や膝痛などの職業病を抱えながら戦い続けるタフネスが不可欠です。