Q1:「見栄を切る」の「切る」にはどういう意味があるのですか?
A1:ここでの「切る」は、物事をはっきりと際立たせる、動作を鮮やかに完結させるという意味を持ちます。「啖呵(たんか)を切る」「舵(かじ)を切る」「クロスを上げる」などの表現と同様に、連続する芝居の動作をピタリと断ち切ってポーズを際立たせる所作から名付けられています。
Q2:役者があの寄り目を長時間続けても目は痛くならないのですか?
A2:歌舞伎役者は幼少期からの過酷な訓練によって、眼球を自在にコントロールする高度な目の筋肉の使い方を体得しています。ただし、見得で寄り目にして静止する時間は実際には数秒程度であり、長時間静止し続けるわけではありません。極限の集中力で一瞬だけ異次元の眼力を生み出しています。
Q3:一般の初心者が劇場で「大向う(掛け声)」をかけても大丈夫ですか?
A3:掛け声自体に法的な禁止はありませんが、初心者による不用意な発声は推奨されません。大向うは役者の息遣い、ツケ打ちの音、台詞の間合いを熟知した専門の「大向うの会」などの熟練者が、舞台進行を計算し尽くして発声しています。初心者はタイミングよく力強い「拍手」で舞台を称えるのが最もスマートな楽しみ方です。