チーマーという言葉の語源は、英語の「Team(チーム)」に人を表す接尾辞「-er」を組み合わせた和製英語です。単なる暴走族や非行グループとは異なり、自分たちの帰属するグループを「チーム」と呼び合っていたことに由来します。
その発祥は1980年代後半の渋谷に遡ります。驚くべきことに、初期のチーマーを構成していたのは地方の不良少年ではなく、都内の有名私立高校生やインターナショナルスクールに通う良家の子弟、帰国子女たちでした。彼らは米国の西海岸カルチャーやサーフスタイルに影響を受け、渋谷の宇田川町や道玄坂、ファイヤー通り界隈に自然発生的に集まり始めました。
このムーブメントから生まれたのが、伝説的なストリートファッションである「渋カジ(渋谷カジュアル)」です。紺ブレザーにリーバイス501を合わせるトラッドなスタイルから始まり、やがてバンソン(VANSON)やショット(Schott)の肉厚なレザージャケット、レッドウィングのエンジニアブーツ、ゴローズ(goro's)のシルバーアクセサリーを身につける「ハードカジ」へと進化。当時の男性ファッション誌『Hot-Dog PRESS』や『Boon』が特集を組んだことで、全国の中高生が憧れる最先端カルチャーへと昇華していきました。