タイツのパッケージに記載されている「デニール(denier、記号:D)」とは、糸の太さ(繊度)を表す国際単位です。具体的には、「長さ9,000メートルの糸の質量が1グラムである場合=1デニール」と定義されています。つまり、同じ9,000メートルでも糸の重量が30グラムであれば30デニール、80グラムであれば80デニールとなり、数値が大きくなるほど太い糸で編まれていることを意味します。
糸が太くなれば、編み上がった生地全体の厚みが増し、繊維の密度が高くなります。この物理的な変化によって、以下の3つの要素が連動して変わります。
- 透け感(シアー感):デニール数が低いほど素肌が透けて見え、高くなるにつれてマットで不透明な質感になります。
- 保温性・防風性:生地が厚くなるほど外気を遮断し、体温を逃がさない保温性が向上します。
- 耐久性と着圧感:繊維が太いほど引っ掛けや摩擦に強くなり、伝線しにくくなります。
市場で広く使われている「ストッキング」と「タイツ」の呼び分けについても、明確な業界基準が存在します。日本靴下協会の取り決めや大手レッグウェアメーカーの分類では、30デニール未満を「ストッキング」、30デニール以上を「タイツ」と区別するのが一般的です。20〜25デニール前後は素肌の補整を主目的としたストッキング、30デニールを超えると防寒やファッション性を意識したタイツの領域へと切り替わります。