ネット上やSNSでは時折、「完璧すぎて人間味がない」「マスコミが神格化しすぎているのではないか」「裏ではドライなのではないか」といった疑問の声が散見されます。しかし、長年彼を取材し続ける担当記者や現場スタッフの証言を突き合わせると、そうした邪推はことごとく覆されます。
大谷の人間性の基礎を形作ったのは、花巻東高校時代に恩師である佐々木洋監督の指導のもと作成した、名高い目標達成シート(マンダラチャート)です。大谷はその中心目標「8球団からのドラフト1位指名」を達成するための要素として、技術や体力だけでなく、「運」と「人間性」を明確に掲げていました。
特に「運」を引き寄せるための具体的行動として記されていたのが、現在もMLBの舞台で見られる「ゴミ拾い」「挨拶」「道具を大切に扱う」「審判さんへの態度」でした。大谷にとって、グラウンドに落ちているゴミを拾う行為は「誰かが落とした運を拾っている」という自己規律であり、10代の頃から約15年以上にわたって寸分違わず実践し続けているライフワークなのです。
思春期からプロ入り、そしてメジャーの頂点へと駆け上がる過程で、メディアの目がない練習場でも、宿舎の廊下でも、彼の礼儀正しさと他者への気遣いは一切変わっていません。虚像どころか、カメラが回っていない日常の言動こそが極めて誠実であるからこそ、周囲の誰もが彼を心から慕うようになります。