本のシミの正体と落とし方!茶色い斑点の原因と自力修復術

本のシミの正体と落とし方!茶色い斑点の原因と自力修復術

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本を開いたときに見られる茶色や赤褐色の斑点状のシミは、主に4つの決定的な要因によって引き起こされます。多くの人が「すべてカビのせいだ」と誤解しがちですが、実際には化学反応や害虫被害が複雑に絡み合っています。

最も代表的な原因が、図書館学や古書修復の世界で「フォクシング(Foxing)」と呼ばれる現象です。フォクシング原因の根底にあるのは、製紙工程で完全に除去しきれなかった微量な鉄分や銅などの金属イオンです。これらの金属粒子が、室内の湿気(空気中の水分)や酸素と長期にわたって接触することで酸化反応を起こし、赤褐色の錆のような斑点として紙の表面に浮き出てきます。さらに、紙に付着した微小な真菌(空気中の潜在的なカビ菌)が生成する有機酸が金属の酸化を促進し、フォクシング特有の円形・斑点状の茶色いシミを形成します。

第2の原因は、純粋な「カビ(真菌類)の繁殖」です。湿度が70%以上、室温が20〜30℃前後の環境下で長期間保管された本は、紙の主成分であるセルロースや、製本用糊に含まれるデンプン・ゼラチンを栄養源にして黒カビや白カビ、黄カビが急速に繁殖します。カビが繊維の奥まで菌糸を伸ばすと、色素が沈着して濃いシミとなります。

第3の原因として見逃せないのが、古くから本の大敵とされる原始的な昆虫「紙魚(シミ・英語名:シルバーフィッシュ)」による被害です。体長8〜10ミリ程度の銀色に光る素早い虫で、暗く湿った本棚の隙間を好みます。紙魚は紙の表面を削り取るように食害(舐食)するだけでなく、付着した排泄物や体液が経年によって濃い茶褐色の汚れとなり、虫食い跡とともに頑固なシミを残します。

第4の原因は、読書時に指先から付着した「皮脂や汗、飲食物の飛沫」の酸化、そして古い洋紙に含まれる「リグニン(木材由来成分)の光酸化による黄ばみ」です。ページをめくる際に触れる小口やページ端が帯状に茶色く変色していくのは、この皮脂酸化と紫外線による化学劣化が主因です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。