藤岡真威人のキャリアにおける最大の転機となったのが、2021年12月に公開された映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』です。仮面ライダー生誕50周年を記念した本作において、彼は父・藤岡弘、が1971年に演じた伝説の主人公・本郷猛(仮面ライダー1号)の若き日を演じるという、映画史的にも極めて異例の抜擢を受けました。
当時、製作発表会見や特番インタビューの現場において、藤岡真威人は当時の心境を次のように振り返っています。
「父が50年前に命懸けで演じた役に自分が挑むことには、想像を絶する重圧がありました。しかし、父から『真威人、自分の信じた本郷猛を思い切り演じてこい』と力強く背中を押され、逃げずに立ち向かう決意が固まりました」
撮影に際しては、50年前のオリジナル映像を何十回もコマ送りで研究し、当時の父の目線の配り方、声のトーン、変身ポーズのキレを徹底的に体得。現場に立ち会ったベテランスタッフからは「立ち姿の重心の低さ、スクリーン越しに伝わる眼光が、若き日の藤岡弘、そのものだった」と驚嘆の声が上がりました。単なるモノマネではなく、敬意とオリジナリティを融合させたこの演技は、往年の特撮ファンからも高い支持を集める決定打となりました。