岡田克也氏とイオングループの関係を語る上で欠かせないのが、三重県四日市市に根差した商人としての原点です。岡田家の歴史は、江戸時代の1758年(宝暦8年)、初代岡田惣左衛門が四日市で創業した太物・絹織物売買の「岡田屋」にまで遡ります。
この老舗呉服店を近代的な総合スーパーへと発展させ、巨大流通コングロマリットの礎を築いた人物こそが、克也氏の実父である岡田卓也氏(ジャスコ実質的創業者・名誉会長相談役)です。卓也氏は「大黒柱に車をつけよ」(時代の変化に合わせて店舗や商売のあり方を柔軟に変えよ)という家訓を実践し、地方の呉服店から全国規模の流通網を切り拓きました。
岡田家の家系図を紐解くと、政財界に広がる錚々たる顔ぶれが確認できます。
- 実父・岡田卓也氏:ジャスコ創業者であり、イオングループの実質的創業者。名誉会長相談役。
- 長男・岡田元也氏:イオングループの中核を担い、社長、会長、取締役会議長を歴任するグループの総帥。
- 次男・岡田克也氏:東京大学法学部から旧通商産業省(現・経済産業省)を経て政界へ進出した政治家。
- 三男・高田多喜男氏:中日新聞社などを経て、事業会社や文化・芸術支援の領域で活動。
このように、岡田克也氏は紛れもなく「イオングループ創業家」の直系・次男として生を受けました。しかし、家業を継ぐ道を選んだ長男・元也氏とは異なり、克也氏は官僚から政治家への道を歩むことになります。この進路の分岐が、その後の岡田家における独特な緊張感と規範を生み出す契機となりました。