台北101を訪れたら絶対に間近で観察したいのが、87階から92階の吹き抜け部分に鎮座する巨大な制振装置「TMD(Tuned Mass Damper:チューンドマスダンパー)」です。台風の通過路であり地震の多発地帯でもある台湾において、高さ508メートルの超高層ビルが安全に立ち続けるための心臓部とも呼べる設備です。
このウィンドダンパーは、厚さ12.5ミリの鋼板を41枚重ね合わせて溶接された直径5.5メートル、総重量660トンにおよぶ黄金色の球体構造をしています。8本の極太ワイヤーロープで吊り下げられており、強風や地震によってビルが大きく揺れた際、建物の揺れと逆方向に振り子のように動くことで、建物の揺れ幅を最大で約30〜40%低減させます。
通常、このような大型制振装置はビルの機械室の奥深くに隠されているのが一般的ですが、台北101ではそのメカニカルな美しさと工学的価値を一般公開しています。2015年の大型台風上陸時には球体が左右に100センチ以上スイングしてビルの安全を守り切った実績があり、その迫力ある姿は観光客を魅了し続けています。ダンパーをモチーフにした公式キャラクター「ダンパーベイビー」のグッズも、館内限定のユニークなお土産として親しまれています。