東京駅丸の内駅前広場に立つと、誰もが視界の抜けの良さと独特の開放感に圧倒されます。その背景には、100年を超える東京駅丸の内駅前広場 景観設計の歴史と、近代都市計画の粋を集めたグランドデザインが存在します。
1914年(大正3年)、建築家・辰野金吾の手によって誕生した東京駅丸の内駅舎は、皇居の正面に位置する日本の「表玄関」として位置づけられました。しかし高度経済成長期を経て、駅前は車優先のロータリーや駐車場へと分断され、かつての歩行者中心の威厳は一時失われていました。転機となったのは2012年の赤レンガ駅舎の保存・復元工事の完了と、それに続く駅前広場の大規模再整備です。東京都とJR東日本が主導したプロジェクトにより、2017年12月に全面オープンを果たしました。
特筆すべきは、駅舎正面から皇居へと一直線に延びる丸の内駅前広場 行幸通り(幅約73メートル)との一体的な空間構成です。広場中央には白御影石が敷き詰められた広大な歩行者専用の「中央広場」を配置し、南北にはケヤキ並木が心地よい緑陰をつくる「交通広場」を分離配置。歩行者の動線と車両のアクセスを見事に両立させました。
この歴史的建造物と現代のパブリックスペースが高次元で融合したランドスケープデザインは高く評価され、東京駅丸の内駅前広場 グッドデザイン大賞(2018年度・内閣総理大臣賞)を受賞。単に古い建物を残すだけでなく、「都市の軸線を市民に開放した歴史的快挙」として、今なお国内外の都市計画家から熱い視線を浴びています。