国民審査を巡っては、インターネットやSNS上で事実と異なる言説が拡散されるケースが散見されます。正確な制度理解のために、代表的な3つの誤解を是正します。
誤解1:「白紙投票は無効票や抗議票になる」という誤り
「どの裁判官も支持できないから白紙で出す」という行動は、本制度においては「全員を信任した」と集計されます。現行の国民審査法は「不信任投票制」を採用しているため、不満や異議を表明したい場合は明確に対象者の欄に×を付す必要があります。
誤解2:「最高裁判所長官のみが特別に審査される」という誤り
長官であっても他の14名の判事であっても、審査のルールや重みは完全に同一です。任命後初めて行われる衆院選と同日に審査を受け、その後10年を経過した後の初衆院選で再審査を受ける仕組みです。なお、裁判所法により最高裁判所長官および判事の定年は一律70歳と定められており、定年直前に就任した裁判官は制度上2回目の審査を迎える前に退官することが大半です。
誤解3:「在外投票では国民審査ができない」という古い情報
かつて在外邦人には衆院選・参院選の選挙権のみが認められ、国民審査権は認められていませんでした。しかし2022年5月の最高裁大法廷判決で「憲法違反」と断じられたことを受け、法改正が実施されました。現在は海外在住の有権者も在外公館投票や郵便投票を通じて国民審査に参加することが可能です。