品川のラーメン事情を語る上で避けて通れないのが、高輪口側の京急線高架下で15年以上にわたり営業を続けた「品達」の存在です。京浜急行電鉄の本線連続立体交差事業および品川駅地平化に伴う大規模再開発プロジェクトにより、2020年3月31日をもって全館営業終了となりました。現在、品達跡地周辺は駅前再開発の工事エリアとなっており、かつてのような「駅前高架下に有名店が密集する集合施設」は存在しません。
しかし、この閉館は品川ラーメン界の衰退を意味したわけではありません。かつて品達に集っていた客層と名店のDNAは、周辺エリアへと見事に再編・分散されました。2026年最新の品川ラーメン動向を俯瞰すると、以下の3大エリアに勢力が分立しています。
第一に、JR品川駅直結の「エキュート品川」を中心とする駅構内エリア。移動導線を一切外れずに食べられるタイパ(タイムパフォーマンス)抜群の店舗が揃い、出張族や旅行者の定番となっています。第二に、高層オフィスビルが林立する「港南口(東口)エリア」。ランチ難民となったビジネスパーソンが押し寄せる濃厚豚骨やボリューム満点のつけ麺店、洗練された鶏清湯の名店が地下街やビルイン店舗として盤石の人気を誇ります。そして第三に、八ツ山橋を越えた「北品川・新馬場エリア」。駅から徒歩10分前後の距離にありながら、全国のラーメンアワードを総なめにするような独立系手打ち麺の名店が全国からラーメンフリークを引き寄せています。